台風がくる
結局、どうにかして
乗りこえなきゃいけないのはわかってる。
この暗闇を突破して。
明るい場所に出なければ。
今は、町に出るだけで辛い。
どこにでも、彼との想い出が
ちりばめられているから、
とても悲しくなる。
一緒に並んで歩いて
彼のとなりから見た景色が
ふいにフラッシュバックして
苦しくて泣きたくなる。
どうしてだろう
どこかで彼は今も幸せに
笑っているというのだから、
それだけでいいじゃないか。
悲しいことはない。
私の横にいないことをのぞいては。
彼の幸せを願う。
自分を一番大切にすることを
長いこと忘れてしまったので、
なんだかボロボロだし
自分が誰だったのかも
たまにわからなくなる。
親孝行。
浮かんでは、心が苦しい。
親が元気なうちに安心させられて
あげられるのだろうか。
方法がよくわからない。